しまチャレ2023 ながさき「しま」のビジネスチャレンジ2023

輩インタビュー

輩インタビュー

しまの先輩ノート No.5

対馬市厳原町(対馬島)
一般社団法人daidai
齊藤ももこさん

島歴10年 農業

斎藤さんは、大学卒業後、島おこし協働隊として対馬市に移住し、2016年にdaidaiを設立しました。活動のテーマは「獣害から獣財へ」。イノシシやシカの鳥獣害対策、肉や革などの資源活用を通じた普及啓発活動に取り組みながら、人と野生動物との共存を模索しています。対馬の自然と人に魅了されたと語る斎藤さんに、対馬との出会いや、起業に至る経緯を聞きました。

いろいろ聞きました

起業までの経歴を教えてください

幼い頃から動物が好きで、獣医師を目指し大学へ進学しました。大学入学後は「野生動物管理」に関心を持ち、増えすぎたイノシシやシカによる被害を減らし、個体数を管理する方法を研究し、模索していました。そんな中、環境省対馬野生生物保護センターでインターンをしたことが対馬とかかわるきっかけとなりました。対馬の自然と人に魅了され、「この地でイノシシやシカに関する活動をしたい」という希望を持ちながら過ごしていました。

島で起業することになった経緯はなんですか?

偶然対馬市での総務省地域おこし協力隊の募集を見つけたことがきっかけです。先述の通り、もともと対馬を知っており、対馬で活動がしたいと思っていたので、迷わず応募しました。地域おこし協力隊として鳥獣被害対策及びイノシシやシカの肉やレザーを通じた普及啓発活動をする中で、たった三年の任期では対馬の被害を減らすことはできないと考えました。これまでの活動を継続し成果を出すために、地域おこし協力隊という公務員の立場から起業を選択しました。

起業にあたり苦労したこと、これをしてよかったと思うことを教えてください

市役所の中には当然起業経験がある人がいなかったので、誰に相談したらいいかわからず、法人格はいるのか、どの法人格を取得するのか、事業計画の書き方、予算の立て方、法人設立後の仕事の作り方など、初めてのことでわからないことだらけ。適切な相談相手がいない状況に一番苦労しました。しかし市役所の中でも、創業支援や観光事業を担当する職員さんがとても親切に補助事業や制度の相談に乗ってくれたことで助けられました。また、対馬以外の地域に起業経験がある人や相談できる人がいたこと、何よりわからないことを「わからないから教えて欲しい」と言えて、助けてもらえたことがよかったと思います。

先輩起業者として、応募者にひと言お願いします!

離島の課題は、視点を変えるとチャンスがたくさんあると言えます。人口がまばらで、未開発のフィールドが多い状況は、テーマが合致さえしていれば大きなビジネスチャンスになるはずです。だいじなのは、地域独特の関係性や、それぞれの地域が育んできた文化を尊重しながら進めていくことです。地域をリスペクトしながら課題をチャンスと捉え、経済的な成功を追求することは、難しくも楽しくもあります。蒔かない種は育たないので、このコンテストをチャンスと捉え、臆せずチャレンジしてみてください!

齊藤さんの会社の

事業概要

一般社団法人daidaiは対馬においてイノシシやシカに関する被害対策の指導・コンサルティング、捕獲された個体を活用したジビエ製品の販売、レザー製品製造販売、そして野生動物の棲み家になる耕作放棄地を復元した無農薬・無化学肥料の農業に取り組んでいます。「獣害から獣財へ」をキーワードに、ポジティブな方法で人と野生動物の共存できる社会を目指します。
  • 会社名
    一般社団法人daidai
  • 設立
    平成28年1月22日
  • 従業員
    5名(アルバイト3名含む)
  • 所在地
    長崎県対馬市厳原町今屋敷731番地
  • 資格等
    ・獣医師
    ・食品衛生管理者
    ・狩猟免許
    ・銃所持許可
  • 所属
    ・対馬市商工会
    ・対馬観光物産協会
  • 主な事業
    ・鳥獣被害対策
    ・皮革製品製造販売
    ・ジビエ販売

齊藤さんが利用した
支援制度

対馬市創業支援補助金(平成30年度)

対馬市雇用機会拡充支援事業補助金(令和5年度)

advise 制度を探したり、理解するのには時間がかかるので、「制度を活用したいから考える」ではなく、「こういうことがやりたいけど、何かいい制度はないか」と自分がやりたいことを明確にした上で相談に行くことをおすすめします。