しまチャレ2023 ながさき「しま」のビジネスチャレンジ2023

ュース(記事)

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2023.11.14

第2回プレイベント実施レポート

皆さんこんにちは!

しまチャレ2023事務局です。

しまチャレ本番に向けたプレイベントの第2回を11月2日(木)に開催し、「しま」の先輩事業者のお話を伺いました!

第2回目のテーマは「『しま』の魅力を高める仕事づくり」

今回は、新上五島町でネイチャーガイドの傍らゲストハウス、カフェ「自遊庵(Goto Adventure Inn)」を運営されている水村昌司さんと、壱岐市を拠点に福岡、京都でパン屋「パンプラス」を展開されている大久保卓哉さん、お二人の先輩事業者にご登壇いただきました。

お二人とも本土からIターンされており、島への移住のきっかけや事業を始めた経緯などを中心にお話を伺いました。

ご縁でつながっている上五島での暮らし

埼玉県出身でスキーのインストラクターをされていた水村さん。「奈良尾地区で15年近く空き家になっていた祖父母宅を残したい」という奥様の想いがあったことに加え、上五島は自然遊びの観点から魅力的な場所が多い反面、当時自然体験のアクティビティを提供する事業者がほとんどおらず、とても勿体なく感じたこと、また、これまで身に付けてきた経験を活かせるのではないか、との思いから移住します。

移住する前の1年間、約2か月に1回のペースで島に通い、知り合いをたくさん作るなど、積極的に地元の方とのご縁を繋いだおかげで、移住後すんなり地域に入っていけたり、困ったときに人を紹介してもらったりと、島の方に助けてもらいながら起業することができたそうです。

今では、ネイチャーガイドやゲストハウス経営などのほか、教育旅行等誘致に関する同町推進協議会や地元の消防団など、さまざまな活動に参加しているそうです。

「島に移住して、やりたいことをやっていく、夢を叶えていくときに、自分だけで回すのではなく、人の伝手を頼っていったことが良かった。」とのことで、ご縁をとても大切にした島暮らしをしています。

水村さんへのインタビュー記事はこちら

壱岐島を、子どもが夢や希望を持てる島にしたい

福岡県出身で、高校では甲子園出場経験もある大久保さん。パンの製造販売を行う企業に就職してからも、社会人野球を続けていました。

祖父の自宅のあった壱岐島で子どもたちに野球を教えていたとき、「島だからプロになれない」「市役所の職員になるのが夢」という言葉を聞き、子どもたちが大人の発している言葉を敏感に聞いていて、自分たちの将来の選択肢を狭めているのではないかと感じたそうです。

「自分が島の子どもたちの夢をつくりたい」との想いから、壱岐島に移住しパン屋「パンプラス」を開業します。壱岐島の豊かな食資源を活用して作った「壱岐牛カレーパン」は、今では島の名物になっています。

高齢化や人口減少が進む壱岐島では、島内での事業拡大には限界があります。そのため、島外でのイベントに出店するなど、「外貨」の獲得を目指した展開を意識するなど、島の人口動態を踏まえ、戦略的にビジネス展開を進めており、現在は、壱岐島内に2店舗、福岡に1店舗、京都に1店舗を構えています。

大久保さんのインタビュー記事はこちら

島のために何ができるか、自分の頭で考える

水村さん、大久保さんともに共通していたのは、自分の事業だけでなく、その先を見越していることです。

水村さんは、上五島の海や山などの自然の魅力をアクティビティとして提供するとともに、長崎県観光連盟などからの依頼を受け、コンテンツ化して島外へ情報発信しています。

また、かつて西日本最大のまき網漁の拠点として栄えた奈良尾地区は、漁獲量の減少等もあり人口減少が大きく、宿泊施設や飲食店が減っている現状があります。そういった中でもアクティビティを楽しみに来た観光客のために、ゲストハウスを開業したり、自らの経験を活かしたカレーやコーヒー、地元の特産品である五島うどんなどを提供するカフェを始めています。

大久保さんは、「壱岐島の子どもが夢や希望を持てるようにしたい」との想いがきっかけで移住し、島の学校と連携した新商品の開発などにも取り組んでいます。

お二人とも、「事業を通して島のために何ができるのか」を考え、「事業内容に落とし込む」というプロセスを経ているのが印象的でした。

需要と供給のバランスに偏りが出やすいのが島

「島は人口が限られるので、需要と供給のバランスに偏りが出る」と話していた大久保さん。島内に需要があっても供給がない場合や、島内に需要がなく供給ばかりがある場合などがあるそうです。

水村さんの場合は、上五島で数少ない自然体験アクティビティを提供する事業をしており、島外からの需要を獲得するほか、県や町の観光コンテンツの情報発信など、島の様々な取組に参加されています。

また、大久保さんの場合は、数少ない焼きたてのパンを販売するお店として、島内でファンを獲得しています。

このように、島内における需給バランスの偏りは課題とも捉えられますが、見方を変えるとチャンスと見ることもできるのではないでしょうか。

地域のネットワークがマーケットをつくる

島に移住し事業を始めたお二人は、どのように島内でマーケットを開拓していったのでしょうか。

大久保さんは、「地域のネットワークに助けられた」とのことで、お店を建設している時から、「あそこにパン屋ができる」という噂が広がり、開業時には地元地区以外の方も含めたくさんの方に知られている状態になったそうです。島の噂はインターネットよりも早いと言われるほど。まさにそのような状態で認知が進んだと思います。

一方で、水村さんの事業は、自然体験を提供する性質上、島外にアピールする必要があります。まず取り組んだのは、SNSとウェブサイトで、上五島の美しい自然や風景を島外にアピールすることだったそうです。また、島で数少ない自然体験アクティビティの事業者であったことから、島民の方が観光客に「あそこに行けば自然体験アクティビティができるよ」と紹介されるなど、口コミでおのずと広がっていったそうです。

ここでも、地域の人とのつながりが大切ということが伺えました。

ご登壇いただいたお二人とも、島の方との関係性を大切にしている印象を受けました。また、自身の事業を俯瞰して見て「島の役に立つ」という視点を持っていたことも印象的でした。ビジネスアイデアの検討の参考にしてみてはいかがでしょうか。

「しまチャレ」の募集要項はこちら

11月18日(土)には、第3回のプレイベントが開催されます。第3回目はリアルとオンラインのハイブリッド開催となり、リアル会場は東京の池袋、サテライト会場は長崎の壱岐となります。

直接交流する良い機会ですので、是非、ご参加を検討いただけたらと思います。

第3回プレイベントの申込はこちら