「しま」のいま
西海市(江島、平島、松島)編
新たな発電事業や、公共サービスの合理化が進む
■エネルギー産業の松島、水産業の平島・江島
長崎市と佐世保市の間に広がる人口約24000人の西海市には、美しい海に囲まれた離島が点在しています。今回のしまチャレの対象となっている離島は、松島(人口約335人)と平島(人口約96人)、江島(えのしま/人口約81人)の3島です。
本土に近い松島には火力発電所があり、主要産業は火力発電事業です。松島へは本土から船での通勤者が多く、産業の維持には交通の確保が欠かせません。そうした事情もあり、長年にわたって松島と本土をつなぐ「松島架橋建設計画」が議論されてきました。しかし、予算や事業の必要性などの課題を乗り越えられず、実現には至っていません。近年では脱二酸化炭素による水素発電を目指す「GENESIS松島計画」が島内でスタートし、橋の建設計画が再び注目されています。
続いて平島は、五島列島から約6km東に位置する島。さらに平島から約15km東に浮かぶのが江島で、平島も江島も水産業を基盤としています。かつて江島では、イセエビなどの高級海産物の漁業が盛んでしたが、現在では「江島沖洋上風力発電」と呼ばれる再生可能エネルギー事業が進展し、新たな産業の可能性が開かれつつあります。
■民間と行政による少子高齢化対策
松島・平島・江島に共通する深刻な課題が、人口減少と高齢化です。松島と平島では小中学校が休校となり、江島では1名の生徒のみが通学する状況。さらに担い手不足や過疎化による影響が広がり、例えばイノシシによる獣害が顕著になっています。
島内交通も大きな課題となっています。急患(救急医療を必要とする患者)などの緊急事態が発生した場合は、島内外の移動に要する時間の長さ、移動手段の少なさにより、医師に診てもらうまでの対処に時間がかかってしまう場合があります。こうした現状を改善しようという動きが出ており、例えば松島では、島民の有志で構成された一般社団法人松島よかとこ運輸部によって公共交通が運行され、島内移動の利便性が向上しました。
いっぽう西海市の施策として、少子高齢化の現状に対応するために「離島公共施設複合化事業」を推進しています。これは、限られた財源や人材を生かし、持続可能な公共サービスを実現するための取り組みです。具体的には、複数の機能を一か所に集約する施設整備が進められています。すでに平島では施設の建設が始められ、今後は江島や松島へ展開されていく予定です。
さらに西海市では関係人口の拡大を目指し、空き家移住定住推進事業として補助金を設けています。ほかにも3島で営業している商店に対して輸送コスト支援事業、江島と平島の住民や、一定の条件を満たした親族に対して運賃低廉化事業を実施するなど、少子高齢化の現状に対して試行錯誤しているのが現状です。
■新しい風を吹き込むアイデアを募集中!
西海市の離島で事業を持続させていくためには「人」の力が不可欠です。例えば松島では、島外からの移住者が宿泊業を始めたことで、地域に変化の兆しが生まれています。すでに移住者がチャレンジしている西海市の離島で、島の未来に向けて新しい風を吹き込むアイデアを出してみませんか?
■西海市の「しま」のビジネスに関する問い合わせ窓口
西海市役所 島の暮らし支援室
記事公開日:2025/8/8
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