しまチャレ 2024 ながさき「しま」のビジネスチャレンジ2024

ュース(記事)

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2024.07.29

第1回トークセッションイベント実施レポート

皆さんこんにちは!しまチャレ2024事務局です。
去る7月18日(木)に、しまチャレ2024第1回目となるトークセッションイベントを開催しました!
「しまチャレ経験者が語る、『しま』の仕事」をテーマに、しまチャレ2023の受賞者であるお二人がゲストとして登壇し、しまチャレ応募時のこと、しまチャレ後の事業展開についてお話いただきました。

事業の基礎は、地域での土壌づくり

しまチャレ2023で「しま」からチャレンジ部門の部門賞を受賞した和氣幸佑さん。2016年に新上五島町に移住し、病院で看護師として働いたのち、現在は、株式会社合同会社RuralCareを立ち上げ、「上五島に住むすべての世代の人たちに必要なケアを届ける」をミッションに掲げて、訪問看護ステーション事業や医療的ケア児事業、地域防災事業などを展開しています。

和氣さんは、しまチャレに応募したときには既に起業は心に決めていたそうで、どのような補助金や支援が受けられるのか探しているときに、しまチャレを見つけたそうです。補助金や支援を受けるときには、自分のやりたいことをプレゼンすることが必要になることから、力試しのつもりで応募したそうです。
応募の結果、部門賞を受賞することはできたものの、プレゼンはお粗末なものだった、と本人は言います。ビジコンは、ただやりたいことや実績を羅列するだけではなく、自分の想い、地域への影響をダイナミックに伝えていかなければいけないということを学んだそうです。

しまチャレのいちばんのメリットは、「応募したことで得た仲間」だと語っていただきました。本審査会後に開催された懇親会で仲良くなった審査員の方が、しまチャレ後に実際に上五島を訪れ、事業の支援者となったり、しまチャレに一緒に応募した同期と仲良くなり、お互いの島を行き来する関係になったりと、しまチャレをきっかけに、ネットワークが広がったとのこと。

和氣さんが強調していたのは地域での土壌づくり。「しま」でのビジネスチャンスはたくさんあるものの、地域の人に受け入れてもらわなければ、ビジネスチャンスが活かせないと実体験をもって話してくれました。既に移住して8年経つ和氣さんですが、それでも起業するときには苦労が多かったようです。
これからチャレンジを考える方に向けて、少しでも多く「しま」に足を運び、少しでも多く「しま」の人に関わり、少しでも多く「しま」の文化に触れて欲しいと話していました。

▼アーカイブ動画はこちら▼
https://youtu.be/LUvYMheMQn8?si=EtDRIwXPwnuyvyLB

いつでもできることは、いつかできなくなる。悔いのない人生を。

しまチャレ2023で「しま」へのチャレンジ部門奨励賞を受賞した池田美和子さん。長崎市の地域おこし協力隊として高島で活動されています。

池田さんは、小学校6年から中学校3年までを長崎市高島で過ごし、高島にはお母さんと過ごしたたくさんの思い出があったようです。
そんな中、結婚して福岡市で生活をしていたとき、旦那さんが病気で突然亡くなってしまいます。
そのことをきっかけに、いつ何が起こるかわからない、自分の人生をしっかり生きようと決め、当時住んでいた福岡市で、コミュニティカフェ事業をはじめます。

実家の整理をしていたときに、お母さんと過ごした高島の写真を見つけました。高島は38年前の炭鉱閉山時は5,800人が暮らしていましたが、今は260人。子どもの頃の記憶にある高島とは様変わりして衰退している現状を知ります。
高島をなんとかしたい、衰退している状況だからこそ私にできることがあると思い、島での活動の計画を立てるようになります。そのときに見つけたのが、しまチャレ2023でした。もともと高島でやりたいと思っていた構想を整理して応募。見事、奨励賞を受賞します。

しまチャレの受賞も後押ししてか、その後、長崎市の地域おこし協力隊に。高島の活性化に携わるようになります。

島には古い建物が多く、耐震性の問題で活用できないことがあるなど壁にぶつかりながらも、 現在は、「しま」のリズムに合わせながら、人が集まれる小さなカフェを作るために活動をしています。チャレンジするときには自分の強みを活かすことが大事と考え、福岡市でカフェを経営してきた経験、コーヒーインストラクターの経験を活かせる業態を予定しています。
そして、将来的には商品開発や体験プログラムの開発など、地域の魅力を高める取り組みをしていきたいと意気込んでいます。

▼アーカイブ動画はこちら▼
https://youtu.be/8HDko1Wdrqk?si=FCBFTUNONVTWT7um

条件が厳しいからこそ、未来を見据えてチャレンジする

お二人に共通していたことは、あえて条件の厳しい環境でチャレンジをしていることでした。
「離島は課題の先進地だから、上五島でできれば本土でも実践できる」と和氣さん。これから日本が抱えるであろう課題を先んじて経験してそこでモデルケースを作ろうとされています。
池田さんが活動する高島は、現在飲食店が一軒もないなど、毎日、軍艦島クルーズのお客さんが資料館を訪れるにも関わらず、観光客が立ち寄れるお店が少ないことに課題を感じています 。それであれば、お店ができれば、一定のニーズがあるのではないかと考えているそうです。大きく儲けることは考えず、コミュニティの核として、島の中での存在を確立していこうと考えているようです。
お二人とも、条件の厳しさの先に可能性を見出して、モチベーションを高めているような印象を受けました。

今までビジネスとして成り立っていなかったのには理由がある
乗り越えるためには、応援してもらえる方を増やすことが重要

和氣さんは、上五島に8年住み、島唯一の上五島病院で働きながら、地域との関係性を深めてきました。それだけの時間をかけても、なかなか仕事につながらないなど、課題を感じているようです。データを見ると、明らかに看護サービスは不足していて、ニーズがあるはずなのに広がらない。そのような中で、地域での土壌づくりの大切さを感じたようです。

池田さんは、高島に住むまで、空き家の活用は比較的簡単にできると考えていたそうです。しかし、いざ島で活動すると、耐震性の問題で古い建物は使用できないことが多いなど、使えそうな建物も利用が難しいなどの課題を実感しているようです。

島内の看護サービス不足や、空き家などの遊休施設など、一見ビジネスとして成り立ちそうなものでも、実現できなかった背景、理由があります。
実際にやってみて気づくことも多く、一人で解決が難しい場合もあります。
島に限ったことではないですが、人とのつながりを大切にし、事業を応援してくれる方を増やすことが重要なのかもしれません。

しまチャレを通じて、「しま」で頑張る仲間をつくる

しまチャレをきっかけに、様々なネットワークの広がりを実感しているお二人ですが、しまチャレの懇親会の場がとても有効だったようです。特に、審査員の方からさまざまな助言をいただいたり、金融機関の方に顔を売る機会であったり、その後のビジネス展開で有益となるネットワークを得ているとのことでした。

また、しまチャレ後に、ビジネス支援プラザの方を通じて、同じ悩みを抱える方、参考になる取組をされている方をお繋ぎいただくなど、しまチャレに参加することが、自身のやりたいことをアピールし評価を受ける場に留まらず、それを応援してくれる多くの仲間づくりの場になっていたんだと感じました。

しまチャレを通じて、その後の活動に弾みをつけた和氣さんと池田さん。
自身のやりたいことを整理して発信すること、それを聞いた審査員や参加者との交流がとても役に立っていたんだとわかり、事務局としても嬉しく思っています。

しまチャレ2024に少しでも興味を持たれている方、是非、勇気をもって一歩踏み出してみてください。きっと、景色が変わるはずです。

▼しまチャレの応募要項はこちら▼
https://nagasaki-shimachalle.jp/application/

▼しまチャレの概要説明動画はこちら▼
https://youtu.be/yCUFNrjbDJI?si=6gO3NBrIAfJMqv3K