しまチャレ 2024 ながさき「しま」のビジネスチャレンジ2024

ュース(記事)

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2025.01.31

しまチャレ2024 本審査会レポート(⑤本審査会進出者インタビュー)

2024年12月7日(土)に長崎県庁にて開催した、「しまチャレ2024」の本審査会(プレゼンテーション審査)。最後のレポートとなる今回は、特別賞、ながさき「しま」のビジネスチャレンジ賞を受賞された方々へのインタビューです。


【特別賞 事業構想大学院大学賞】大和大学政治経済学部 椎葉 敦士さん
応募部門:学生部門
発表タイトル: 長崎修学旅行改革

・「しまチャレ」に応募された経緯を教えてください。

大学に入学し、新たにできた友人との会話の中で、自分は今まで行った場所、出身や修学旅行の話を鉄板にしているのですが、修学旅行地としてよく利用される長崎はよく会話のなかに出てきます。自分は現在大阪にいるのですが、出身は九州ですので長崎の会話になると詳しく内容や思い出を聞くようにしていました。

話を聞いていると、あんまり楽しんでくれている様子でない友人が数人いて、理由が気になって長崎について調べているときにこの大会を見つけ、「これ題材にできるんじゃね?」と思ったことがきっかけです。同じ九州民として、九州地方、長崎に訪れた時に満足して帰って欲しいなと思い、プランを構想し応募しました。

・「しまチャレ2024」本審査会での発表はいかがでしたか?

当日の感想として1番印象に残っていることは、「自分への強い刺激」になったことです。学生部門の同年代から特に刺激を受けました。経歴や出身が人それぞれ違う中で、様々なプランが高い完成度で発表されていて、新たな考え方や、自分にはないもの、これから身に着けたい能力を、本審査会を通して見つけることができました。

また、審査員、すでに事業に取り組まれている大人の方の立ち振る舞いも観察することができ、人間的に成長するためのソースを得ることができたと思います。大変だったことは、一人だったことです。島に繋がりもなかったですし、一緒にアイデアを考える仲間もいない中、プランを限られたソースの中で作って行くことが困難でした。質問でもその部分でプランがありきたりになっていることを指摘されてしまいましたので改善点です。

・しまチャレに参加して、良かったと思うことはありますか?

ビジネスマナーの学習になったことと、プレゼンを通して新たな経験を得られたことです。交流会での挨拶、名刺の受け取り、ビジネスメールの作成、先方との電話、挙げていくときりがない程、しまチャレに応募しないとできなかった経験がたくさんあります。この先社会人になっていく上で絶対に必要な事が、今大会を通して学ぶことができたので、良かったです。

プレゼンを通しての経験は個人的に今までプレゼンの経験がなかったという部分で緊張感を味わいながら、あの場でプレゼンできた事はとても刺激になりましたし、個人的な反省もたくさん見つけることができたので、本当に参加して良かったなと思っています。

・アイデアの実現に向けた今後のご活動についてお聞かせください。

まずは、島についての知見を高める。これだけだと思います。本審査会まで勢いだけで参加して、終わらせてしまった感がとても残っています。題材についての探求が全く足りていないことは構想していく上で致命的ですので、その部分からやり直しだと思います。

また今回、事業構想大学院大学様から月間事業構想を副賞としていただける事になりましたので活用し、自分自身の能力を高めることに役立てたいと思います。


【特別賞 クロスポート武生水賞】立教大学大学院社会デザイン研究科 山下 楓美香さん
応募部門:学生部門
発表タイトル:Drone Station Café -日常的にドローンに慣れ親しむカフェ兼基地で備える災害に強い島づくり-

・「しまチャレ」に応募された経緯を教えてください。

大学院で勉強する中でやってみたいことが溢れてくるようになり、アイデアをまとめるひとつの機会としてビジネスコンテストを探していました。友人からしまチャレを紹介されたことがきっかけで、元々アイデアの原型はありましたが、長崎県や離島にフィットする形に大きく変更を加えて応募しました。

しまチャレはパワーポイントなどの視覚的資料だけではなく、文字でのPRも重要でした。そのため応募する過程で、応募前にはバラバラだったアイデアの片鱗をひとつひとつピースのように組み合わせていき、自分の中でアイデアの解像度を高めていき言語化していけたことが、自分の中でも進歩だったと感じています。

・「しまチャレ2024」本審査会での発表はいかがでしたか?

ブラッシュアップミーティングや交流会を経てアイデアの方向性を調整していったため、応募時からだいぶ変更を加えて審査に臨みました。前日に長崎入りし、久しぶりに現地の美味しい食べ物や長崎の温かい人たちに触れて元気を頂いてから当日を迎え、いざ自分の番となると足が震えるほど緊張しながら発表しました。

他の方々の発表では、離島出身の発表者の皆さんの島の課題に対する自分事としての問題意識の高さ、また県外出身者の発表からは既存の枠にとらわれない新鮮な発想を聞くことができ、非常に面白かったです。

本審査会での自身の発表への反省点は、アイデアのポイントが審査員の方々に伝わっていなかった事です。審査後の交流会で数名の方とお話ししましたが、強調したかった部分が伝わっていなかったことが分かり、悔しさと共に次に生かそうと良い学びになりました。

・しまチャレに参加して、良かったと思うことはありますか?

今回特別賞を頂くことができましたが、その副賞を提供してくださったクロスポート武生水さんへ実際に訪問させていただき、今後の活動について話し合ったり、地元の案内をしていただけたことで、今後の道筋が見えてきたことが最も大きな収穫でした。

また、そのほかにも

 ・応募の段階で自身のアイデアを言語化し解像度をあげることができたこと

 ・ブラッシュアップミーティングや交流会を通して、自身のアイデアの問題点を現地の方や分野の専門の方に指摘していただくことができたこと

 ・応募者同士で交流し連絡先を交換できたこと

 ・本審査会でのプレゼンテーションで良い反省を得られたこと

などがしまチャレに参加して良かったと思うことです。他のコンテストへ応募した経験はあまりないのですが、しまチャレは非常に純粋に島への熱い想いを持った方が多く、爽やかかつ熱い大会だったと感じます。良いコンテストに参加できたと今は実感しています。

・アイデアの実現に向けた今後のご活動についてお聞かせください。

これまでは「いつか良きタイミングが来たら事業を立ち上げたい」と思っていましたが、しまチャレでの経験を通して、2025年中に事業を立ち上げようと現在は考えています。そのきっかけとなったのは、本審査会での他の応募者の発表を聞いたことです。小さくても既にアイデアの実践をされている方は非常に課題の解像度が高く、かつ人とのつながりも深く説得力のある言葉で話されることが印象に残り、私もまずは小さくても良いのでアイデアを形にしてみようと勇気をもらいました。 今後は、まずはしまチャレでつながった皆さんと連絡をしっかりと取りながら長崎の土地でチャレンジを開始しようと思います。


【特別賞 五島つばき商店賞】徳山高等学校 松永 七海さん
応募部門:学生部門
発表タイトル: 「しま」ウマPROJECT

・「しまチャレ」に応募された経緯を教えてください。

私が「しまチャレ」を知ったきっかけは、通っている高校の先生からの紹介です。私の両親は長崎大学出身だったこともあり、小さい頃から何度も長崎県に遊びに行っていたので大好きな県の一つでした。私の住む山口県は、全国的に見ても高齢化や都市部への人口流出が進んでいて、長崎の「しま」の現状と同じような問題を抱えているため、「しま」の活性化について考えることは自分事として捉えることができたというのも応募しようと思った動機です。

・「しまチャレ2024」本審査会での発表はいかがでしたか?

まさか本審査まで残るとは思っていなかったので、とてもビックリしましたが、私のアイデアを皆さんに聞いていただける機会を与えていただきとてもうれしく思いました。できるだけわかりやすいプレゼン資料にするためにいろいろと工夫することに時間をかけました。本審査で他の発表者の方々のプレゼン資料がかっこよくて、また、わかりやすい説明はとても参考になりました。

・しまチャレに参加して、良かったと思うことはありますか?

ビジネスコンテストにはこれまで応募した経験がなかったので、他の発表者の方々から学ぶことも多くありましたし、審査員の方々のコメントは厳しくもあり、リアリティーがあってとても参考になりました。これから物事を組み立てたり、新しいことにチャレンジするときに必ず私の糧になると思います。

・アイデアの実現に向けた今後のご活動についてお聞かせください。 私はまだ高校生なので、今回提出したアイデアを自ら実践することはできませんが、少しでも私のアイデアが「しま」の活性化のヒントになれば幸いです。私は海が好きで海洋環境を守る研究者になろうと思っているので、今後、長崎の「しま」とも絶対に関わることになると思います。これからは「しま」の海の環境を守ることに貢献できたらと思います。


【特別賞】& fanさん
応募部門:学生部門
発表タイトル: しま夢カフェ

・「しまチャレ」に応募された経緯を教えてください。

メンバーの宮﨑は旅行が趣味で、偶然訪れたしまの景色や食事の魅力に感動しました。その一方で、上京してから、「しま」を訪れたことがない人やそもそも知らない人が多くいることを知り衝撃を受けました。「しま」は現在過疎化していることもあり、一刻も早くその魅力を多くの人に知ってもらいたいと考えていた際、このコンテストが開催されることを知りました。ゼミで宮﨑の思いを聞いた森は、自身の法人の立ち上げ経験を活かして共に活動したいと思い、2人での参加を決めました。

・「しまチャレ2024」本審査会での発表はいかがでしたか?

プレゼンに不慣れなこともあり大変緊張したのですが、みなさんニコニコと話を聞いてくださって、無事プレゼンを終えることができました。私たちの考えたプランを、多くの経験を積まれ様々な分野で活躍されている方々に聞いていただくことができたことが、非常に貴重な経験になったと感じています。

プレゼンの質疑応答の際に指摘されたことは、事業化に向けて必須であると考えるため、今後に活かしていきたいと思います。準備の際には、書面提出時には詰めきれていなかった部分やブラッシュアップ講習会で新たな発見した課題などについて考えることから始まり、さらに自分たちのプランと向き合うことができました。

・しまチャレに参加して、良かったと思うことはありますか?

実際に⻑崎のしまで暮らされている方々や事業を行っている方々から多くのお話を伺うことができたことです。ネットで調べるだけではわからない事情を知り、自身のプランを詰めていくことができました。

また、他の参加者の方々のプレゼンを聞いて、多くのしまの新たな魅力に気づくこともありました。さらに、コンテスト出場ということが、自分たちのアイデアを言語化可視化するよい契機となりました。

・アイデアの実現に向けた今後のご活動についてお聞かせください。

まずは今回の本審査会での質疑応答やその後の交流会などでいただいたご指摘やアドバイスを参考に、現地を訪問したり実際のお話を伺ったりしながら、よりプランを現実的かつ有益なものにしたいと思います。その上で、必要な知識や技術、経験を身につけ、プランを実現できるよう努めます。 しまチャレ関係者の皆様、企画に携わってくださった皆様、本当にありがとうございました。


【特別賞 Mitake合同会社賞】中村雄一さん・里英さん 生田遼資さん
応募部門:学生部門
発表タイトル: 世界につながる一匙

・「しまチャレ」に応募された経緯を教えてください。

壱岐島での活動を通して、この島の魅力と今まで僕らが行ってきた「しま」での取り組みを多くの人に知ってもらおうと思っていたところ、郷ノ浦のフェリー乗り場でしまチャレのポスターを見つけて応募しました。

・「しまチャレ2024」本審査会での発表はいかがでしたか?

他のファイナリストを見たところ社会実装段階まで進んでいる方が少なく、僕らは島内およびネットでの販売段階まで進んでいたので行けると思いましたが一歩及ばず。残念でした。ただ、会場で僕らの発表を見た多くの方から「次元が違った」とお褒めの言葉をいただけたことがせめてもの救いでした(笑)

・しまチャレに参加して、良かったと思うことはありますか?

賞レースではありながら、壱岐市でこの1年活動し、「しま」の多くの人たちが世界とつながった喜びを多くの人に知ってもらおうと思い参加しました。その意味では多くの人に当団体の取り組みと壱岐島の人々の想いが伝わったと思います。

・アイデアの実現に向けた今後のご活動についてお聞かせください。 アイデアはすでに実装し、今後更なる発展段階へと進みます。是非他の参加者の皆さんと共に世の中を良くするビジネスを実現しましょう!


【特別賞 ISLAND BREWERY賞】「あいのりカート」実証実験チームさん
応募部門:一般部門
発表タイトル: 「MaaSでつかむ生きいきとした島暮らし」

・「しまチャレ」に応募された経緯を教えてください。

市の担当部署から離島に特化した「ビジネスコンテスト」が行われるので、今取り組んでいる「地域公共交通の導入事業や将来の事業展開」について「コンテストに応募してみないか?」とお誘いを受け応募しました。私たちの活動を広く知って頂くことと、今後行われる実証実験や以前の実験実施時に分かった要望や利便性の向上対する企画を俯瞰的に検証するのに良い機会だと思い、応募しました。

・「しまチャレ2024」本審査会での発表はいかがでしたか?

お伝えしたいことが多くて、なかなか絞り込みが出来ませんでした。発表当日まで、プレゼンの練習や原稿の修正をしていました。もっと、思い切り絞り込んだ内容にした方がよかったと思っています。

・しまチャレに参加して、良かったと思うことはありますか?

自分たちの計画や活動を俯瞰的にみる事が出来ました。たま、本審査の会場に市の複数の関連部署の方々が来場されていたので、市役所の関連部署への周知に繋がったと思います。

・アイデアの実現に向けた今後のご活動についてお聞かせください。 市により令和7年度の「共創MaaS実証プロジェクト実証運行事業」の応募が決まっていて、市の予算も確保できています。今回プレゼンさせて頂いた計画「共創MaaS実証プロジェクト推進・支援」を、再来年度の実証実験実施を目標に、計画のブラッシュアップと各部署の調整を進めたいと思っています。


【ながさき「しま」のビジネスチャレンジ賞】粟谷 香織さん
応募部門:一般部門
発表タイトル: Soil &(そいると)プロジェクト

・「しまチャレ」に応募された経緯を教えてください。

ちょうど進めている事業計画がある時に知人の紹介でしまチャレがあることを知り、仲間づくりや自分の事業の手応えを確かめたいと思い応募しました。

・「しまチャレ2024」本審査会での発表はいかがでしたか?

当日は 思ったほど緊張せず自分の力は発揮できたと思っています。発表までにいろんな人に協力してもらいながら何度もプレゼントの練習をしたり、資料を作り直すのが大変でしたが、当日は審査員の先生方から貴重なご意見を賜ることができ、より一層事業を進めたい思いが強くなりました。また当日は他の方の発表も聞きながら、いろんな分野から長崎の島に関わる事業を考えている人がいることを知ることができてとても面白かったです。

・しまチャレに参加して、良かったと思うことはありますか?

私が今後 事業を展開する五島地域においても、同じように事業をしたいと考えている方に出会え、交流があったことがとても良かったです。また、お話ししたいと思っていた審査員の方とも直接お話をすることができたので、とても大きな糧となっています。

・アイデアの実現に向けた今後のご活動についてお聞かせください。 地域の商工会や県のよろず支援拠点などを利用しながら自分の事業を確実に進めていきたいと考えています。


【ながさき「しま」のビジネスチャレンジ賞】しらほしさん
応募部門:一般部門
発表タイトル: こういうところじゃ、病めなくない!?

・「しまチャレ」に応募された経緯を教えてください。

私は障がい福祉の現場で働いています。そこで同僚から、「日光浴びてたら、病めないよね!」という言葉を聞きました。実際に当事者の方に話を聞くと、「カーテンを閉めた部屋で食事もあまり取らず薬を飲んで寝ている」「出かける気にもならない。出かける場所もない。」という発言がよく出てきます。

日光を浴びて、出かける場所があってのんびり落ち着ける場所があったらいいのに…。「しま」なら当事者の方に少しでも前向きな時間、いいなと思える楽しい瞬間を提供できるのではと思いました。

そこで、これはどうやったら実現できるのだろう?とヒントを得るためにインターネットで検索をかけました。そしてたまたまこちらの「しまチャレ」を知り、自分のアイデアとの親近感から思い切って応募をさせていただきました。

・しまチャレに参加して、良かったと思うことはありますか?

今まで自分のアイデアや考えをまとめて、このように発信することはありませんでした。資料作成から発表まで、全てが初挑戦でした。戸惑うことばかりで大変でしたが、誰かに自分の想いをお届けする楽しさを知りました。なかなかうまくはいきませんでしたが、本当に貴重な経験となりました。

また、他の参加者さんの発表に圧倒されたりワクワクを感じたりしました。専門家の方の事前サポートでのご意見も、自分が持っていない・関わってこなかった視点ばかりでとても勉強になりました。新たなご縁に感謝です。

・アイデアの実現に向けた今後のご活動についてお聞かせください。

このアイデアを実現させるためには、島の現状理解やビジネスとしての仕組み作りなどまだまだ詰めていかなくてはならない点が多くあります。そのため、自分のやりたい!という気持ちばかりでなく不得意な分野も含めて1つ1つ向き合っていかなくてはいけないと思っています。課題は多いですが、これが実現できれば誰かに「いいな」と思っていただけると信じています。すぐに実現とはいきませんが、このご縁を活かしつつ進めていけたらと思います。 今回は自分や家族の体調のこともあり、当日は残念ながら動画での参加となってしまいました。まだ直接長崎へお伺いしたことがないので、近々お伺いさせていただきます。


【ながさき「しま」のビジネスチャレンジ賞】堀内基希さん
応募部門:一般部門
発表タイトル: GOTO break

・「しまチャレ」に応募された経緯を教えてください。

元々大学では藩政改革などを学び、社会人になってからは独立独歩への興味が湧いてきました。そのため現在も事業開発に携わり、スキルを磨いてきました。ひと段落ついたタイミングで、これまで学んできた知識を復習しつつ、何か新しいアクションを起こせる機会を探していたところ、偶然今回の「しまチャレ」を知りました。

その瞬間、小学校の頃に訪れた長崎県・五島列島でのキャンプの記憶が鮮明に蘇ってきました。当時、台風直撃というアクシデントに見舞われましたが、半泊の地域の方々が助けてくださったおかげで、困難な状況の中でも思い出として心に残っています。特に、テントが水浸しになった私たちを快く泊めてくださった老夫婦の温かさは、今でも忘れられません。

募集要項を読む中で、今度は自分が現地の人々の笑顔や、イキイキと暮らす未来を描き、何か貢献できないかと強く思うようになり、今回の参加を決意しました。

・しまチャレに参加して、良かったと思うことはありますか?

仕事の都合で当日に参加できなくなり、非常に申し訳なく感じましたが、運営の方がオープン参加という形で発表の場を設けてくださり、その温かさに心が熱くなりました。この柔軟な対応のおかげで、自分の思いを形にする機会を失わずに済んだことに感謝しています。案を組み立てる過程では、島の魅力と事業としての確からしさを両立させる難しさを痛感しました。

地域の特色を活かしつつ、ターゲットや市場を意識した事業案にするためには、バランスが重要だと感じましたが、どちらかを優先すれば片方が弱まるジレンマに悩みました。今振り返ると、どんな事業案でも、現地の方々の協力や理解がなければ成り立たない、そんな当たり前のことを改めて痛感しました。地域の人に寄り添い、共感してもらえる姿勢こそが事業の第一歩だと学ぶことができました。この気づきは、苦しんだからこそ得られた貴重な収穫であり、今後活かしていきたいと思っています。

・アイデアの実現に向けた今後のご活動についてお聞かせください。 今回の案が難しかったことを素直に感じておりますが、それをただの「死に案」として捉えず、次に生きる「糧」にしたいと考えています。現時点では力不足を感じることも多いですが、これからはより多くの経験を積み、少しずつでも長崎県や五島列島に貢献できる活動の形を模索していきたいと強く思っています。また、もし何か反対に協力できることがあれば、積極的に参加していきたいと思います。この経験を次に繋げるため、正しく反省し、これからも努力していきます。


【ながさき「しま」のビジネスチャレンジ賞】井下 敬翔さん
応募部門:学生部門
発表タイトル: 歴史を光で蘇らせるプロジェクト〜長崎の離島で体験する時空を超えた物語〜

・「しまチャレ」に応募された経緯を教えてください。

私は現在、AIの研究に取り組んでおります。AIは最先端技術として認識される一方で、普段関心のない方々にはファンタジーのように映るかもしれません。これまで技術開発を通じて多くの成果を生み出してきましたが、それが一般の方々には価値を感じられない場合もあることを痛感しています。

研究成果は、実社会の課題に応用し、多くの人に価値を感じてもらうことで初めて真の意味を持つと考えています。そのため、「しまチャレ」は私にとって、自身の研究を社会課題に活用し、新たな知見を発信する絶好の機会でした。島が抱える具体的な課題にAIを活用して提案を行えたことは、研究と実社会を結びつける貴重な経験となり、応募の大きな動機となりました。

・しまチャレに参加して、良かったと思うことはありますか?

「しまチャレ」に参加して最も良かったと感じたのは、自分の研究しているAI技術を具体的な社会課題に適用する経験が得られたことです。これまでの研究活動では、技術そのものの開発や精度向上に集中しており、その価値を実社会でどのように活かせるかについて深く考える機会が限られていました。

しかし、「しまチャレ」を通じて、島という地域ならではの課題に取り組む中で、技術の実用性や現実的なインパクトを実感することができました。また、地域の方々の具体的な声やニーズを直接伺うことで、自分の研究がどのように社会に貢献できるかを改めて考えさせられる貴重な機会となりました。

さらに、多様なバックグラウンドを持つ他の参加者や専門家の意見を伺う中で、新たな視点や課題解決の可能性を見出せた点も大きな収穫でした。「しまチャレ」は、研究の枠を超えて、自分の技術をより社会に役立てる方法を探る素晴らしい場だったと感じています。

・アイデアの実現に向けた今後のご活動についてお聞かせください。

実現に向けて、まずは島の現状や課題に関する更なる調査を行い、具体的なニーズを明確化していきます。その上で、提案したAI技術のプロトタイプを開発し、実際の課題に適応可能かを検証していく予定です。プロトタイプ開発後には、地域の関係者や専門家との意見交換を通じて、実用性や効果を確認し、必要に応じて改良を加えていきます。

また、実現に必要な資金調達のため、自治体や関連企業との協力を図り、支援を募る活動も行う予定です。特に、AI技術を活用した解決策がどのように地域の持続可能性や経済活性化につながるかを具体的に示すことで、プロジェクトの重要性をアピールしていきたいと考えています。

さらに、実現したシステムを島以外の地域や他分野にも展開することを視野に入れ、継続的な発展を目指します。最終的には、技術の社会実装を通じて、多くの人々に価値を提供できる仕組みを構築することを目標に活動していきます。


この度は改めて、皆さまおめでとうございました。これからも皆様の挑戦を応援しています!